大切な家族でもあるペットですが、
人間よりは少ないとは言えお風呂に入れて清潔にしないと見た目がよくないだけでは無く、
皮膚病になってしまう危険性もあります。
しかしここで悩むのが犬用のシャンプー・石鹸どちらにするかです。
シャンプーは泡立ちが良く洗いやすいですが刺激が心配です。
石鹸は刺激が少ない分泡立ちが悪く洗う際にコツが必要です。
実際にどちらも使ってみたところ、双方にメリット・デメリットがありました。
どちらを使うかの比較材料にして下さい。
犬用のシャンプーのメリット・デメリットとは?
ペットグッズを扱っているお店に行くと人間顔負けのシャンプーが並んでいて、
「トリートメント配合」「毎日使える」と言った謳い文句があります。
見ているとワクワクしますが、愛犬の為よい製品を選びたいと思うのは当然です。
ちなみにシャンプーのメリットと言えば、
ダニやノミ、フケをしっかりと落としてくれるので清潔に過ごせる点です。
犬特有の体臭も抑えられるので、臭いに悩まされている方にもおすすめです。
また近年では殺菌効果の強いシャンプーもあるので、
皮膚炎を患っている犬にも効果的といえます。
価格はピンキリで2000円程度が相場になります。
業務用だと大容量でもっと安いですが、
医師を通して購入したり成分がやや強くなったりしているのであまりおすすめ出来ません。
洗いあがりも石鹸に比べるとふんわりしていて、
特に長毛種の犬はふんわり感だったり毛のツヤが重要になったりするので、
この場合はシャンプーに大きなメリットがあります。
ここまで見ていると犬用シャンプーに大きくメリットがある様に見えますが、
いくつかの注意点・デメリットもあります。
そもそも犬は自然界で生きているとお風呂に入る機会は無く、あっても水浴び程度です。
その為シャンプーを使い自分の臭いをごっそり取ってしまう事で、
不安になってしまうケースもあります。
石鹸だと臭いが抑えられているので、シャンプーならではのデメリットです。
また皮膚の弱い犬を毎日洗うと落とすべきでは無い角質を落としてしまったり、
老犬や子犬などの免疫力の低い犬は皮膚が荒れてしまったりする原因になります。
愛犬の事を考えているから、
よかれと思ってやっているのに逆効果になってしまっては悲しいですよね。
そうならない為にも犬用シャンプーを購入する時は成分を必ず確認する事を心掛けて下さい。
あまり良い話ではありませんが、
悪質な業者や会社が作ったシャンプーは犬にかかる負担を無視して、
とにかく低コストで製品を作っているので気をつけたいものです。
どうしても犬用のシャンプーを使う場合は、
成分をしっかりと確認し出来る限り界面活性剤が入っていないタイプが良いです。
界面活性剤にも種類がありアミノ酸系は負担が少なく、
対にカチオン系はかなり刺激が強いので注意して下さい。
オーガニック系のシャンプーやノンシリコンシャンプーは確かに身体に負担をかけませんが、
他のシャンプーに比べて高価になりやすいです。
メリットだけでは無く、デメリットを確認した上で愛犬を一番に考えて選択して下さい。
犬用の石鹸のメリット・デメリットとは?
シャンプーは手軽な反面、良く製品を吟味しないと皮膚炎を起こしたり、
身体に負担がかかったりしてしまうデメリットがあります。
反対にペット用石鹸に着目していきたいと思います。
まずペット用、今回は犬用石鹸ですがシャンプーよりも刺激が少ないのが特徴です。
犬の皮膚や人間よりもかなり薄く、人間の皮膚だと問題が無い物でも犬からすると刺激があり、
物によっては痛みやかゆみを生じさせてしまう事もあります。
一例では犬の全身の皮膚は人間のまぶた程と言われていますので、
とてもデリケートな事が分かります。
犬用石鹸はこれらを考慮してシャンプーよりも低刺激で、
且つ犬に負担がかからない様に作られているのが最大のメリットです。
消臭効果はありますが、香り自体は抑えられているので愛犬の臭いをごっそり取ってしまい、
ストレスを与えてしまう事もありません。
シャンプーに比べると金額が安くなるのもメリットの一つで、
シャンプーが中型犬の場合4~5回でなくなるに比べて、
石鹸の場合は7回ほどと小さな変化ですが、
頻繁にお風呂に入れる飼い主からするとバカになりません。
600~1500円では購入出来ますし、
無添加にこだわった石鹸や自然界に存在する界面活性剤を使っているものが多いのも強みです。
シャンプーに関しても無添加、
身体に優しい界面活性剤を使っているものはありますが、比較すると前者の方は数が豊富です。
ここまでいくつかのメリットを確認していると、
シャンプーよりも石鹸の方が良いイメージがあります。
しかし石鹸も万能では無くいくつかのデメリットが存在します。
まず泡立ちと洗いあがりがさっぱりし過ぎているので、
洗っている際に泡立たせたいと言う飼い主には不向きです。
また固形石鹸はコスパも良く、
成分にこだわれるのが特徴ですがこすりつけるのにコツが必要で、
慣れない間は難しいと感じるかも知れません。
その場合は液状の犬用石鹸もありますので、これらを使い分けるのも賢い方法です。
ちなみに犬用石鹸を手作りして、より愛犬の身体に負担をかけない様にする飼い主もいますが、
コストだけでは無くかなりの手間がかかるのもネックです。
手作り石鹸は1~2日で出来る物では無いですし、
入れる成分によっては組み合わせがあったり、効果を打ち消したりしてしまうものもあります。
もちろん石鹸を作る為の専門知識も必要なので、これらもデメリットとして挙げられます。
今すぐにお風呂に入れてあげたい!と言う場合には向いていません。
実際に洗った時の汚れの落ち方の比較
犬用シャンプー、石鹸どちらも使ってみて実際に確認したところ、
双方に大きな違いがありました。
犬をお風呂に入れる理由ですが汚れを落としたかったり、
臭いを抑えたかったりするのがほとんどです。
その為重要視されるのが、如何に汚れを落としてくれるのか?という洗浄力です。
同じ犬種、同じ場所で遊ばせて、
その後シャンプーと石鹸に分けて洗った実験をしてみたのですが、
石鹸よりもシャンプーの方が一度、且つ短時間でキレイに汚れが落ちるのがほとんどでした。
シャンプーの方が短時間でお風呂が終わるので、
犬にもストレスを与えない事がわかりお風呂嫌いの犬にはシャンプーに群が上がります。
しかし洗浄力に特化するとシャンプーの方が良いですが、同時に成分が強い事を表します。
今回の実験ではかゆがったり痛みがある様なしぐさは見せたりしませんでしたが、
老犬や肌の弱い犬をシャンプーする時はパッチテストをしてからが良いです。
ちなみに石鹸の場合は汚れが落ちない訳ではありませんが、
シャンプーに比べると残っている事が多く何度も石鹸を付けて洗わなければなりませんでした。
その為時間がかかってしまうのはもちろんの事、
シャワーの場合は湯冷めしてしまい風邪を引くリスクがあります。
これを解消するには湯船にお湯を溜め、
足先だけでも良いので温かい状態にしてからお風呂に入れるのが良いです。
また石鹸の場合は臭いが抑えられているか、
天然由来のほのかな香りの石鹸が多いので、
犬自身も臭いを気にしている様子はありませんでした。
また石鹸は溶けにくいので、始めに犬の身体にゴシゴシとこすりつける必要はありますが、
洗い流れてしまう事は無く使いやすさを感じました。
すすぎの段階で泡切れが良いのは石鹸です。
シャンプーに比べると泡が少なくさっぱりしているので、
少量のお湯で流せますしそれによって犬が嫌がる事は見られませんでした。
落としにくい肉球の裏だったり、
お尻の辺りも1度でしっかり流れてくれたりするのは石鹸特有のメリットです。
シャンプーは全体的にきめ細かいので、
泡切れが石鹸に比べるとあまり良くないので、
シャワーを数回に分けてしなければなりませんでした。
その為長毛種の場合はお風呂の時間が長くなってしまったり、
汚れは落ちてもシャンプーや泡がキレイに落ちずに、
皮膚炎だったり舐めてしまったりする事に繋がるデメリットがあります。
短毛種の場合はあまり気にする事は無いので好みによって選べます。
犬用の石鹸とシャンプーを比較した時の違い
汚れを落としてタオルドライをしたら、今度は乾かす為のドライヤーです。
犬によってはドライヤーを嫌がったりするケースもあり、
時短の為にもしっかりとタオルドライして下さい。
ちなみにこのタオルドライの時点でもシャンプー・石鹸で違いがある事がわかりました。
まずシャンプーの場合は毛がしっとりしていて、
拭いていても毛に水分が浸透している様に見受けられました。
考えられる理由として界面活性剤が、
毛を構成しているキューティクルまで入ってしまい毛自体を補修している可能性があります。
乾かすと指どおりが良く、
しっとりとした仕上がりになり人間のシャンプーと同じ様な効果を感じました。
毛にツヤも出ているので、コンテスト前はシャンプーの方が良いかも知れません。
しかしこれらの効果は嬉しい反面、
シャンプーに含まれている成分が働いている可能性があります。
指どおりやツヤはシャンプーに含まれているシリコンが作用している可能性があり、
犬が毛づくろいをしている際にその成分を摂取してしまう危険性もあります。
いくら身体に影響が少ないからといっても、
出来るだけ負担をかけたくない飼い主にとっては考え物です。
またしっとり効果により乾かす時間が石鹸よりも長くなってしまうので、
ドライヤー嫌いの犬を乾かす場合はコツが必要になります。
石鹸についての乾燥は、よくも悪くもさっぱりしています。
石鹸の場合、無駄な成分が含まれていないケースが多く、
お風呂=洗浄の為に使うと言う目的になります。
その為、タオルドライをした時も、その犬の毛本来の硬さを実感できます。
洗い残しが少ないですし、シリコンなどが含まれていないので、
犬が舐めてしまっても平気ですし長く使っていく分には石鹸の方が安全です。
石鹸によっては馬油など天然由来の保湿成分が入っているものもありますので、
石鹸で毛にツヤを出したい場合にはこちらの製品を選ぶと良いです。
またドライヤーで乾かす際もシャンプーより少しだけ早く乾くので、
ドライヤー嫌いの犬にもぴったりです。
良くも悪くもシンプルな石鹸は犬の状態や犬種によっては、
一度で臭いが完全に消えない可能性もあります。
ドライヤーを済ませた後に臭いしてみたところ、かすかに犬独特の臭いがしました。
犬的にはこの方が落ち着くかも知れませんが、完全に臭いを消したい飼い主には考え物です。
双方を比較した結果、
身体にかかる負担やコスト・時間を考えると石鹸にメリットが多い事がわかりました。